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般若心経 私考 5

 

現代は、200万年とも500万年とも言われる人類の歴史の中で、特に目まぐるしい変化の時代かと思われます。 特にここ百年ぐらいの間に起こった種々の進歩は、(?と言って良いのかどうか分かりませんが・・・)それまでの長い時間の全てをひっくりかえすほど凄まじいものではないでしょうか。

その中でも、今回ここでお話したいことは科学、とりわけ物理学という学問に属するであろうかと言う分野です。

「 仏教と科学」、一見とてもかけ離れたもののように思われていますが、実はとても深い関係にあり、ある意味同一のものと言ってもかまわないかもしれません。(なぜならば考え方が違ったとしても、それがそれぞれ正しい方法で導き出されたものであるならば、答えは限りなく同一でなければ信じるに値しないと私は信じています。)

しかしたいていの方は物理学と言うと、「とても難しい数式ばかりの学問・言ってしまえば生きていくには関係ないこと・・・」と思われることでしょう。
確かにその通りです。しかし、物理学の基本とはなんでもないような素朴な疑問に「なぜだろう?」と思うことから始まり、それは例えば「空のはてはどうなってるんだろう?」「鳥はなぜ飛べるんだろう?」「人はなぜ生きているんだろう?死んだらどうなるんだろう?」(まぁこれに関しては、厳密にいえば哲学や形而上学に属する分野かもしれません。)などと・・・誰もが考えたことがあるようなことを、厳密に解明していったにすぎないのです。

偉そうな事を言ってますが、かくゆう私自身もそんな数式的な世界観や学問的・アカデミー的な考え方は得意ではありません。
しかし絶え間なく努力してそんな疑問を探求・解明し続けてきた物理学者や研究者方には賞賛の念をおぼえます。

事実、一般的にはあまり知られておりませんが(それは隠されているからではなく一般の人たちがほとんど興味をもたないからです。)現在の科学では今まで謎であった事柄の多くが明らかにされ、目を見張る成果をあげております。一例をあげると、宇宙の開闢の百万分の一秒後(もっと短かったかも知れません)の状態まで解明されているそうです。

最近、その物理学者たちが仏教の心髄に、特にこの般若心経に注目しているという話を耳にします。それは彼らが複雑な数式や完璧に構築された理論から導き出した答えが、至極明解に種々の教典の中に示されているからだそうです。 驚くべきは、現在の世界最高の頭脳が結集して導き出したことを二千五百年前に既にお釈迦さまはお一人で説き明かしていらっしゃると言う事実です。今更ながら改めて畏敬の念を覚えてしまいます。

前置きが長くなってしまいましたが、今回からの本文、
「舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減・・・」

と続く文言の中にはそのようなことが垣間見られる気がします。

この段落は少し長いので、分割して(今回はここまで)話を進めていきます。
この文言の読み下しは・・・「舎利子よ。この諸法は空想にして、生ぜず、滅せず、垢つかず、清らかず、増さず、減らず、・・・」となり、意訳は、 「舎利子よ。 世の中は、(何度も言うように)そのままで充分に完成されたものです。それはけっしてそこから新たな何かを生みだすこともなく、またそこから失うこともありません。またそれけっしては汚れることもなく、清らかであるということもありません。またそれはけっして増えることもなく減ることもないのです・・・。」となります。これを解説するのは少々難しいことではあるのですが、敢えて説明しますと、新たに生みだされるものはないと言うことの意味は、今、一見、新たに生みだされているように見えることは全て過去よりの因縁によって既にあるものが形を変えて形成されているにすぎず、それは無くなったとしても実は変化したにすぎません。私たちが思う、汚れているだとか清らかだとかと言う概念は、偏った立場からのものの見方に過ぎず、言い換えればそうやって変化していくことこそが自然な流れであり、大きな大きな見地から見てみると、きれいだとか汚いと言う概念も、増える減ると言う一般的解釈も「空」と言う世界観の前ではまったく意味を為さない言葉になってしまいます。

これは、宇宙にある全ての物質の総数は、その開闢の瞬間から遠い未来に訪れるであろう終演まで一定であり、核分裂や核融合などさまざまな作用による変化を繰り返し、形を変えていったとしてもそのエネルギー量が変化することはない。 (最新の研究では、「真空のエネルギー」と言う概念があり、空間自体に実はエネルギーがあるそうです。そうだとすると膨張し続けている宇宙自体、エネルギー量は増大し続けていることとなり、この考え方自体のキャパを広げないとならないのかもしれませんが… このことについてはもう少し勉強してみます。)と言う現代の物理学的見解にも当てはまります。いえ、本当はこの始まりだとか終わりだとか言う考え方も無意味なのかも知れません。

まぁ話をそこまで複雑にしなくても良いのかもしれませんが、この見解の本質は、世の中を正しく見るためにものごとを極限まで掘り下げた結果であって、必ずしも現実的認識に即しているとは言えないことでもあります。しかし、空の本質を知るにはとにかく一度、現実的認識から抜け出さなければなりません。なぜなら現実的認識がいつも正論であるとは言えないからです。

仮に、例えばあなたは、あなたを取り巻くこの世界の現実を
どのように捉えていらっしゃいますか?

次回へ続く

 

 

 

 

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